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2024年10月13日 社長ブログ

空き家問題

最近、築100年以上の家を解体して、

建て替えをするご縁が2件ありましたが、

 

施主様はお二人とも

「梁や柱など再利用できるものは残したい」

との希望がありました。

 

もちろん思い出という観点もありますが、

古材はなんとも言えない価値があったので、

 

「残したい」

「受け継ぎたい」

「再利用したい」

 

となったと思います。

 

理想は躯体を残してのリノベなのですが、

100年以上の住宅では基礎や地盤、

他にも沢山の問題があったので

取り壊しをして建て替えとなった訳ですが、

それでも再利用が可能な素材は潤沢にありました。

全て自然素材の国産材です。

 

因みに100年以上の柱梁など

お施主様が再利用出来るモノはそこまで不要だったので、

余った素材は当社が買取りをしました。

 

捨てれば「ゴミ」使えば「資産」です。

見る目を変えると「ゴミ」が「宝」になるのです。

そもそも価値のあるモノをゴミにしたくなかった思いもありました。

 

現在、我が国における空き家は900万戸あると言われております。

今後、まだまだ空き家は増え続けるとも言われております。

 

住宅の数は約6500万戸ですので、

空き家率は約14%となります。

 

戦後、高度経済成長期に沢山建てられた家が、

数十年の時を経て、現在は大きな社会問題になっている訳です。

 

家は時代によって価格、素材、性能など考え方が変化します。

 

戦後の高度成長期では家を持つ事が一種のステータスであり、

働く家族のモチベーションにもつながっていたかと思います。

土地も潤沢にあったので、

需要と供給のバランスが合致した時代だったと思います。

 

50年後の現代から見ると、当時大量に建てられた家は、

耐震性、断熱性、気密性、耐久性などは全くもって論外な家です。

しかし、それはあくまでも現時点からの観点であり、

当時ではあくまでも「一般的」でした。

 

家が欲しい人が沢山いた時代ですので、

開発を行い、宅地を新たに生み出し家を建てる。

この繰り返しでした。建売住宅の始まりです。

 

ニュータウンなんてまさにそうですね。

今となってはゴーストタウンになっている分譲地も多いのが実情です。

 

当時、分譲地の抽選なんて当たり前の話で、

そこまでしても「必要」で「欲しい」家だった訳です。

 

そんな時代には、求められているモノを見極めて、

住宅会社は家を建てているので、

世の中が求めるモノと住宅業界が非常に

マッチしていた事実がありますので、

それで良かったと思います。

 

この時代に「家を長持ちする工夫」などは残念ながら

不要だったかも知れませんし、

素材や耐震性、断熱性も優先順位が

極めて低かったと思われます。

 

そんな事より「早く、安く、大量」に

家を建てる事が必要だったのです。

戦後まで遡ると家を建てる事は

「復興」でもあったので、

家そのものに価値があったように思います。

 

しかし、高度成長期に沢山生み出した家が今では

「空き家」となり900万戸の空き家問題になっている

揺るぎない「事実」があります。

 

昔、沢山作られた家が900万戸も余っているのです。

誰も住み続けずに、ただ取り壊されるのを

待っている空き家が沢山あるのです。

 

私は当社が施主様と一緒に建てた家が

50年後に取り壊されると心が痛みますし、

50年程度では取り壊される必要はない家を

作っていると明確に言えます。

 

大量生産、大量消費の時代から約50年の時を経て、

住宅事情、経済情勢、少子高齢化問題、

環境問題など沢山の問題がある2024年の現在、

住宅業界が建てなければならない家とはどんな家なのでしょうか?

 

ここにもう一つ付け加える言葉がありました。

 

住宅業界が「本気で」建てなければならない家とはどんな家なのでしょうか?

 

今から建てる家は子の代、孫の代へと受け継がれる、

「住み続ける事」が出来る家を本気で建てなければいけません。

 

あるいは2000年以降に建てられた

躯体がしっかりとしている中古住宅を購入し、

耐震、断熱、気密、素材などの選定を行い、

建物の寿命を延ばす性能向上リノベを行う

2択しか無いと私は思うのです。

 

その選択をすれば長い目で見れば経済的、

環境的に賢い選択になると考えます。

 

今から建てる家では見えない箇所に一番の手間をかけ、

素材選定もしっかりと行い50年後もメンテナンスさえすれば、

まだまだ住み続ける事は十分に可能なのです。

100年住宅のワードはよく聞きますが、

本当に100年持つ作り方をしているかは不明です。

 

また、住宅は必ず朽ちていくので

都度のメンテナンスは必要です。

しかしメンテナンスは極力少ない方が良いですし、

一度作れば見えない箇所「隠ぺい箇所」が多くなる住宅では、

見えない箇所こそ、家が長く持つポイントが沢山あるのです。

そこにこだわりを持って家づくりをしなければ、

歴史は繰り返されると考えます。

 

家には残念ながら「流行り」があります。

 

今の流行りは、

 

軒ゼロ(軒が出ていない家)

三角屋根の外観、若しくは四角い形の外観

白い外壁

海外の床材

一部アイアンを使う

キッチン周りにタイル

構造材は集成材

安価な吹付断熱

LDKの一部天井に海外製の羽目板

 

所謂、「見た目重視」の家が多い印象です。

 

このような家が長く持つのかは現時点では不明ですが、

歴史は繰り返され、

今作っている家は30年程度で

取り壊され大量のゴミになるのでしょうか?

 

今後「築100年の家に住んでいる」事がステータスになるような

住宅業界にならなければいけないのです。

 

これは賃貸住宅でも同じ事が言えます。

賃貸住宅に住んでいる家族は特に

若年層の子育て世代が多いので室内環境は重要です。

また高齢者でも賃貸住宅に住んでいる方も

多いので同じ事が言えますし、

ヒートショックも社会問題だと思います。

 

言い出せばキリはないのですが、

小さいお子さんが通う「保育園」「小学校」なども同じですし、

病人がおられる「診療所」「病院」

高齢者がおられる「介護施設」なども同じなのです。

 

民間だけではなく、行政で考えると

公団に高齢者世帯が住んでいる割合が多いので、

住環境を快適にする為に税金を正しく投入をして、

本気で地震に強くヒートショックを起こさない

空気が綺麗な住環境にする必要があるのです。

 

今もある意味、大量に作られている家は、

数十年後に必ず壊す家を今まさに建てている、

住宅業界には沢山の問題があります。

 

長持ちする家には本当の意味での見えない価値が沢山あるのです。

 

「作った責任」があるのはもちろんの事、

住む人の「選ぶ責任」もあるのです。