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2025年04月20日 社長ブログ 社長コラム

正しい知識:制震ダンパー編

最近では耐震の考えも意識が高まり、

耐震等級3の家が普及しております。

 

同じ耐震等級でも品確法ルートか、

許容応力度計算のルートかにより、

安全性も変わるのですが、部材1つずつの検討を行う

許容応力度計算がより安全です。

 

今回は耐震の話でも、

少し視点を変えた内容になります。

 

地震力の検討方法としては、

3つの考えがあります。

 

1、耐震(地震の揺れに耐える)

建物構造を強くする

 

2、制振(地震の揺れ抑える)

壁の内部にダンパーなどを施工して

揺れを吸収する

 

3、免振(地震の揺れから免れる)

地震がきた際に上部構造の建物に

直接の揺れを伝わらないようにする

※3、免振住宅は住宅ではかなり高額になり、

住宅では現実的ではないので説明は行いません

 

このように住宅では1、2で地震対策の検討を

していく事になるのですが、一般的な考えは、

 

1、耐震(地震の揺れに耐える)

建物構造を強くする

 

ここのみの考えが多いです。

 

耐震等級が1から3まであるので、

 

「耐震等級は最高等級の3にしよう。

計算方法はより安全な許容応力度計算にしよう。」

 

となり、

 

「ここまでしたので絶対に安全だ」

 

という考えは業界にも多いです。

 

それはそれで良いのですが、地震に対して、

皆さんが求める事は、

 

・家が倒壊、全壊、半壊しない事(※無被害が理想)

・家族の命が守られる事

・地震のあとでも住み続ける事が出来る事

 

この3点だと思います。

 

1、耐震の考えは地震力に耐える事を想定するので、

建物は固いイメージです。

建物をガチガチに固めて、

強靭で強い家にするイメージです。

 

ガチガチに固めてより強くする耐震の考えは、

震度5以上のような大きい地震力に対して

建物が倒壊、全壊しない考えが基準としてあります。

 

あくまでも「耐える」考えです。

 

実物大の建物を作り、震度6などの地震力を

与えて倒壊、全壊しないか?などの実験を行っております。

 

ここでは、小さな地震力の想定はしておりません。

 

大は小を兼ねるので震度6にも耐えれば、

もちろん震度1にも耐えると考えるのです。

 

 

「震度1~3程度の事なんて家にダメージなんてないし問題が無いのでは?」

と思われるでしょうが、記憶に新しい

2024年1月1日の能登半島地震の場合、

2020年以降から活発に地震が発生しておりました。

 

その数は震度1以上が506回です。

 

震度1から3程度といっても、

地震には変わりませんから、

じわじわと建物を傷めていたと思われます。

 

また地震発生直後からの24時間以内に震度5以上の

地震が9回も発生しています。

 

震度7:1回

震度5強:3回

震度5弱:5回

 

1回目、2回目の地震には耐えたが、

何度も起こる繰り返しによる地震で

倒壊した建物も数多くあったのです。

 

つまり何度も耐えてきたが、繰り返しの地震力により、

耐えられなくなった、という事です。

 

このような経緯もあり耐震計画において、

 

震度1から3程度でも地震力に効き、

繰り返しの地震力にも有効でもあるのは制震ダンパーです。

 

2、制振(地震の揺れ抑える)

壁の内部にダンパーなどを施工して

揺れを吸収する

 

ここでのポイントは揺れを抑える、

そして揺れを吸収する、事です。

 

では、震度いくつから揺れを抑えて、

吸収するのか?を考えないといけません。

 

制震ダンパーは沢山の商品があるのですが、

数ある制震ダンパーでも震度3以上でないと

揺れを抑えない製品も数多くあります。

 

ここで改めて、震度5以上の大きな地震がくる回数と

震度1~3がくる回数を再度考えて下さい。

 

震度1~3の地震の数が圧倒的に多かったですね。

 

2020年から震災当日まで:震度1以上が506回

震災当日から2月16日まで:震度1以上が1651回

 

よって、震度1から揺れを抑え、

揺れを吸収する制震ダンパーを選定して下さい。

 

この選択で建物にダメージを与える事が

少なくなります。

 

最後に制震ダンパーは壁の中にある商品になりますので、

耐久性も重要なポイントです。

 

制震ダンパーの中には10年経過した

制震ダンパーを調べてオイル漏れなどが

一切なかった商品もあります。

 

価格は対して差は無い印象ですので、

制震ダンパーの商品選定の際には、

 

・震度1から揺れを抑えて揺れを吸収する制震ダンパー

・耐久性がある制震ダンパー

 

この2点を軸に検討しましょう。

 

この情報がお役に立てれば幸いです。