更新情報
NEW
2025年04月24日 社長ブログ 社長コラム
正しい知識:日射取得、日射遮蔽編
今回の正しい知識では、日射取得、日射遮蔽の
話をしていきます。
日射取得、日射遮蔽とは聞きなれないワードかと思いますが、
家づくりでは非常に重要な項目です。
日射取得とは、太陽の熱を室内に取り入れる事です。
日射遮蔽とは太陽の熱を遮蔽(遮る)する事です。
日射取得と日射遮蔽はセットで考えますが、
まずは日射取得から説明します。
日射取得とは太陽の熱を室内に
取り入れると説明をしましたが、
季節との関連性があります。
日射取得は「冬」を基準に考えます。
大阪でも外気温が0℃なんて日は実際にありますね。
その時の室温は何℃になるのかは、
想像をすると分かると思います。
このような事から冬は何かしからの方法で
室温を上げる事となりますが、
室温を上げるには必ず「熱源」が必要です。
熱源で代表的なものはエアコンです。
他にも、
オイルヒーター
ストーブ
ガスファンヒーター
薪ストーブ
電気こたつ
電気カーペット
床暖房
などがあります。
実際によく使う熱源と言えば、
エアコンが圧倒的に多いと思います。
熱源は他にもあるのですが、
照明器具
家電製品(テレビなど)
人
になります。
この熱源は意外ではなかったでしょうか?
照明器具もテレビも発熱していますので、
熱源にはなるのです。
ここで面白いのは「人」ですね。
人は36.5℃程度の発熱体なのです。
家に人が沢山集まると暑くなった
経験があるかと思いますが、
人が集まるほど室温は高くなります。
このように冬は室温をどのような熱源を使い、
効率的に室温を上げていくのかが鍵となります。
では冬の室温はいくらが理想なのか?
という事になりますが、
WHO(世界保健機関)は健康を保つためには
冬の室温は18度以上に保つことを強く勧告しております。
また、冬の室温と健康の関係性では、
室温は20度以上が理想とされており、
18度から健康リスクが現れると言われております。
私も様々な家で冬の室温を体感してきましたが、
18度を切ると寒いと感じるので、
18度の室温は一つの目安としております。
では、冬の室温を18℃以上にする方法を
考えないといけませんが、
まず思いつく方法はやはりエアコンなのです。
そしてエアコンを使うという事は
必ず電気代がかかります。
先ほどの熱源一覧を再度確認します。
オイルヒーター
ストーブ
ガスファンヒーター
薪ストーブ
電気こたつ
電気カーペット
床暖房
この項目は電気代やガス代など
ランニングコストがかかるものばかりです。
ここで今回の題名である「日射取得」という事を考えます。
では、日射取得(太陽の熱)はどういう事かというと、
冬の太陽熱をサッシから室内に取り入れ、
室温を上げる方法です。
朝に太陽が昇り、日中は室内に日射熱がサッシから室内に入ります。
日中取り入れた日射熱は室温を上げてくれているので、
夜から朝方にかけては室温は下がっていきますが、
エアコンなどの光熱費は確実に下がります。
無料で一生使い続ける事が出来る唯一の熱源なのです。
このようなお得な熱源を使わない手はありません。
しかし私がよく建築をしているエリアでは隣地の距離も狭く、
土地も30坪程度が多いため、南からの日射取得を
贅沢に出来るような土地はほぼありません。
実際3階建てエリアの場合や2階建てでの狭小地の場合は、
日射取得は出来ない場合が多いのです。
そのような場合では室温はエアコンなどの熱源に
頼る必要があります。
ここはまさに「理想と現実」です。
しかし、この記事を読んでいる方で、
検討している土地や実際に建てる土地が
南に面しており、日射取得が出来る場合は、
無料の熱源を是非手に入れて下さい。
これは狙ってでも必ず日射取得をして欲しいと思います。
電気代も驚くほど下がりますので。
日射取得と日射遮蔽はセットと申しましたが、
仮に冬の日射取得を出来たとすれば、
冬はいいですが夏は困ります。
夏の日射取得となるからです。
夏は外気温38℃なんてよくありますし、
冬と違い夏の太陽高度も高く、
太陽が沈むまでの時間もかかります。
西日問題もあります。
夏に、南面の窓から朝から夕方まで
日射取得をすれば、室内は灼熱になります。
ここで、「日射遮蔽」という考えを説明します。
日射遮蔽とは、遮る「さえぎる」事ですので、
窓の外にブラインドやスクリーンを取付けて、
夏の太陽熱を遮蔽をするのです。
ここでポイントがあります。
日射遮蔽は窓の外側か内側で行う方法があります。
窓の外側で日射遮蔽をする方法は、
外付けブラインドやスクリーンシェードがあります。
室内側で日射遮蔽をする方法はカーテンやロールスクリーン
などがありますが、日射熱を室内に一度取り入れてから
室内側で日射遮蔽をしている事になりますので、
外側での日射遮蔽に比べると室温は上がる事になります。
理想は外側での日射遮蔽となります。
番外編として、田舎の家や昔の家は、
南面に大きな縁側があるイメージです。
その窓に立てかけている「よしず」があったと思います。
昔の方はよしずで日射遮蔽をしていたのです。
冬によしずを外せば日射取得が出来て、
夏になれば立てかける。実に合理的です。
この行為を外付けブラインドやスクリーンシェードに
置き換えているだけのシンプルな事なのです。
あとは日射遮蔽をする方法として、
軒や庇を出す事も有効です。
しかし、建築会社によっては、軒や庇を出す事を
嫌うので注意が必要かと思います。
なぜ嫌うのか?はデザインとコスト面です。
軒を出していない家が、今は流行っていますので、
そのような家を建てている会社は軒を出して欲しいと
言ってもデザイン面から拒否される可能性がありますので、
ここは十分注意して下さい。
因みに、軒の出、庇の出は出しすぎてもよくありません。
何も考えずに、軒や庇を出してしまうと、
夏の日射遮蔽に有効でも、
冬の太陽熱の日射を遮る事にもなるのです。
ここは計算をするとベストな
軒の出や庇の寸法が分かりますので、
建築会社さんに依頼をしてみて下さい。
この情報がお役に立てれば幸いです。