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2025年06月10日 社長ブログ
推測の梯子
「推論のはしご(ラダー・オブ・インフェレンス)」
という考え方をご存じでしょうか?
これは、人が何かを
「認知し、解釈し、行動に移す」までの、
7段階のステップをモデル化したものです。
1.観察する
2.選択する
3.解釈する
4.推測する
5.結論を出す
6.信念を持つ
7.行動する
※「はしご」なので本来は
下1から上7へと上がっていきます。
7.行動する
6.信念を持つ
5.結論を出す
4.推測する
3.解釈する
2.選択する
1.観察する
▼ 各ステップの説明
- 観察する
目の前の事実に対して現実を受け止めている状態
- 選択する
その事実のうち、自分の興味や経験に基づき、
特定の情報をピックアップする。
好みやバイアスが反映される。
- 解釈する
選んだ情報に、自分なりの“意味づけ”をする。
いわば「自分の眼鏡を通して見る」段階。
- 推測する
意味づけした情報をもとに、
根拠があいまいなまま推測を行う。
このあたりから他の視点が見えにくくなってくる。
- 結論を出す
「この状況はこういうことだ」と、
自分なりの結論を導く段階。
- 信念を持つ
結論が自分の“信念”として定着する。
似たような状況が起きた際も、
同じように判断する傾向が強まる。
- 行動する
信念に基づいて「正しい」と思う行動をとる。
ただし、もとになった観察や解釈が偏っていれば、
誤った行動になる可能性もある。
要するに、「推論のはしご」とは、
人が認知して行動に移すまでのステップですね。
これは家づくりのお客様の場合で、
住宅会社を決める推論のはしごとします。
▼ 例①:家づくりにおける「推論のはしご」
- 観察する
「そろそろ家が欲しいな」
- 選択する
「いろんな住宅会社を調べてみよう」
- 解釈する
「私は自然素材の家が好きかもしれない」
- 推測する
「自然素材の家は、健康にも良さそうだ」
- 結論を出す
「建てるなら、自然素材の家にしよう」
- 信念を持つ
「いろんな会社を見たけど、
やっぱり国産材にこだわった自然素材の家がいい」
- 行動する
「この会社で建てようと決めた」
といった流れです。
この流れは、大きな推論のはしごで考えましたが、
実は日常のちょっとしたことでも
同じ構造で人は動いています。
▼ 例②:ラーメンで考えてみると…
- 観察する
「お腹がすいた」
- 選択する
「何食べようかな」
- 解釈する
「ラーメンがいいかも」
- 推測する
「今日は醤油か味噌だな…」
- 結論を出す
「よし、醤油ラーメンにしよう」
- 信念を持つ
「醤油ラーメンといえば、あの店しかない」
- 行動する
「その店に行く」
ラーメンで信念って大げさな、、笑
しかし、実際には私たちは日常的に
この推論のはしごを登っているのです。
このモデルを知っておくと、
自分や他人の行動の背景にある
考え方の癖が見えてきます。
特に家づくりのように人生の一大選択では、
お客様の「推論のはしご」を正しく理解することで、
何に関心があり、どんな価値観を
持っているかが読み取れるようになります。
「なぜこの行動に至ったのか?」
「なぜこの会社を選ぼうとしているのか?」
その理由は、単なる結果ではなく、
この7つのステップの積み重ねの先にあるのです。