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2025年06月28日 社長ブログ
合理的な時代に非効率な手仕事を残す理由
最近、あらゆる業界で
「合理化」「効率化」が叫ばれています。
建築業界もその流れに乗って、
プレカットや工業化が進み、
現場はまるで「パズルを組み立てる」
ような作業になりつつあります。
某大手分譲屋では「早建て大会」と言って、
どれだけ早く建てられるのかを競いあっています。
たしかに、効率化を行えば、間違いも減るし、
早く建てれば、コストも抑えられる。
でも、私はずっと疑問を感じていました。
「すべてを合理化した先に人の想いは残るのか?」
家づくりは、モノづくりであり、心づくりです。
そこに暮らす家族のことを思って、
木のクセを読み、細かい納まりを考えて、
丁寧に仕上げる。
そこには手間が必要です。
一見“非効率”な作業が家にぬくもりを生む。
使う人の事を考えて、
ほんの数ミリの調整が、
使い勝手や美しさを左右する。
これは図面では中々再現は出来ませんし、
効率化からは実現しない事だと思います。
合理的な時代だからこそ、
私たちはあえて非効率を家づくりで残したい。
効率よく、早く、安くつくることが
正解のように見える時代に、
時間をかけてつくる意味を問い直したい。
それは単なる
“古い価値観を守る”だけではなく、
これからの時代にこそ必要な
人間らしさだと思います。
「これこのように考えて作ったんです」
「ここまで考えて作ってくれてありがとうございました。」
このような心の通った家づくりをしたい。
そう願うからこそ、
今日も私たちは手間を惜しみません。