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2025年09月08日 社長ブログ 社長コラム
価値観との対話:“選択肢が多い時代”のほうが、人は迷う
このシリーズでは、
家づくりの現場で私が感じてきた
「ちょっとした違和感」や
「本当に大切にしたいこと」を、
ひとつずつ言葉にしています。
素材や性能、デザインや価格──
選択肢があふれる今の時代だからこそ、
「何を選ぶか」よりも、「どう選ぶか」が
問われていると感じています。
家づくりは、
間取りや設備を決める作業ではなく、
“自分たちらしい暮らし方”を
見つける旅だと思っています。
このシリーズが、あなた自身の価値観と
向き合うきっかけになれば幸いです。
■ 自由なはずなのに、迷ってしまう
選択肢が多いことは、
一般的に「良いこと」とされがちです。
「たくさんの中から選べる」という自由が、
私たちの満足度を高めると
信じられているからです。
でも実際には、選択肢が増えることで、
かえって決められなくなってしまう──
そんな経験、
誰しも一度はあるのではないでしょうか?
■ 情報があふれすぎて、決断ができない
現代は「情報過多の時代」です。
スマホひとつで、膨大な数の家の施工事例や
建材情報、暮らしのアイデアが手に入ります。
でもその情報が多すぎて、
「どれが正解なのか分からない」
「本当に自分に合っているのか不安」
と、選べなくなってしまう。
つまり「選べる自由」が、
逆に「選べない不自由」に
なってしまっているのです。
■ 家づくりでも、同じことが起きている
たとえば床材ひとつとっても、
色・質感・価格・機能性……と、
選択肢は無数にあります。
「せっかく建てるんだから失敗したくない」
「流行にも合っていて、手入れも簡単で、でも温かみがあって…」と、
選ぶ基準が増えすぎると、
決断がどんどん先延ばしになります。
そして最終的に、どれを選んでも
「これで良かったのか?」という不安が残る。
選択肢が多いからこそ、悩みも深くなるんです。
■ 本当に必要なのは、“選ぶ力”の方かもしれない
では、選択肢が多い時代に、
どう向き合えばいいのか?
私はこう思います。
「選択肢を広げること」ではなく、
「必要なものだけを見極めること」。
それが、これからの家づくりには必要な力だと。
暮らしに本当に必要な広さ。
自分たちの習慣に合った収納。
使いこなせる設備。
多くを望むのではなく、
「自分たちらしさ」に沿って選び抜くこと。
そのシンプルさが、
結果的に一番の満足に
つながるんじゃないでしょうか。
■ シンプルに考える。それが、豊かさにつながる
選択肢が多いからこそ、私たちは
「立ち止まって考える力」を養う必要があります。
欲しいもの、必要なもの、大事にしたいこと
それが明確になっていれば、自然と選択は絞れてくる。
そしてその選択は、「誰かが言う正解」ではなく、
「自分にとっての納得」につながる。
迷う時代にこそ、シンプルに生きる。
それが、「心の平穏」や「豊かな暮らし」に
つながるのではないでしょうか。