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2016年04月19日 社長ブログ

伝えていく事。

当社の家づくりに欠かせない棟梁が4人います。

今年の1月から各棟梁と4回に分けて、

「私と1対1の食事企画」の計画を立てて、

先日最後の棟梁と食事をしました。

 

なぜこの様な事を行ったのか?

それは私どもの家づくりは大工さんが軸だからです。

今の建築業界、

特に建売や京阪エリアなんて顕著ですが、

大工さんは数ある業者さんと同じ扱いの、

あくまでも1業者です。

私はその事にすごく危機感を持っていますし、

私は声を大にして言いますが、

大工さんは特別だと思っています。

 

それは、大工さんが偉いとかではなく、

大工は単純に特別な業者さんと言う事です。

 

これはもう間違いありません。

 

大工さんが最初から、

ほぼ、最後まで家づくりに関わりますから、

現場の事は大工さんが理解しておりますし、

大工さんが仕切った方が家づくりは

良い方向にいくと私は経験上思います。

 

その典型が、昔大工さんは

棟梁と呼ばれて現場を取り仕切っていた訳ですよね。

現場監督はもちろん大事ですが、

毎日、朝から晩までべったりと

張り付いている事は不可能です。

だから大工さんが現場を、

仕切り家づくりをしていった方が私は

良い結果になると身をもっての経験上から言えます。

そうした事から、私は尊敬の念を持って、

当社の大工さんを全て「棟梁」と呼んでいます。

 

【ちなみに、諸説はありますが、

大工には大八や大七、大六と言う言葉があります。

本職の大工仕事には届かないレベルの仕事で1足りないから、

「この仕事は大八やな」仕事が汚かったり、

レベルが低かったら「これは大七の仕事やで!」なんて感じです。

ちなみに弟子は大六なんて言われます。

大六から大七、大八、そして大工となる訳です。】

 

大工さんは家づくりのメインの業者さんとなる訳ですが、

他の業者さんは、

全部で何業者の方が関わるのか、

ご存知ですか?

 

工程順に書いてみます。

 

仮設屋【建築中に使用するトイレ、安全面の柵の設置など】

地盤調査屋【SS方式、表面波方式など】

地盤改良屋【調査会社と工事施工業者は同じ業者が多い。

この為、この業界は問題があると言われている。

ちなみに地盤改良の工法は10種類以上あります。】

基礎屋

足場屋

水道屋

大工

材木屋

【当社では適材な箇所で材木屋さんを選定している為、京都府、和歌山県、奈良県になります。】

住設屋【商社、お風呂やキッチンなど】

屋根屋【瓦専門の業者さんもいる】

板金屋【屋根仕様により板金屋と兼用】

サッシ屋

電気屋

ガス屋

防水屋

ラス屋

左官屋

サイディング屋

【当社は施工しませんが今は主流です】

塗装屋

タイル屋

クロス屋

建具屋

【障子や襖など。今は既製品の新建材が多い為、建具屋さんの出番は少ない】

家具屋

畳屋

洗い屋

傷補修屋

植木屋

エクステリア屋

鉄鋼屋

外構屋

 

まだまだ他にもあります。

 

検査会社

【保険法人以外にも任意の民間検査会社など多数】

素材専門の業者

【当社ですと、断熱材のサーモウールや、アイシネン、漆喰のカルクウォール、オガファーザー、シラス壁、木の外壁材のウィルウォール、焼き杉、フローリングは数十種類、外部で使うデッキ材、自然塗料のオスモやリボスなど…】

インテリア【カーテンなど】

建築写真

住宅ローン

保険

ライフプラン

土地家屋調査士

司法書士

設計士

 

ざっと40業者程度はありますね。

建物を簡素化してる会社さんでも、

20~25業者は関わります。

こだわればこだわるほど、

30業社~35業者となります。

中には40業者以上となる会社さんもおられると思います。

 

これはもうね…。

はい、大変なんですよ、

すごく。(汗)

 

でもね、

この中で棟梁はやっぱり特別なんですね。

当社の家づくりでは重要な業者さんですから、

もっともっと話をしないといけないと思った次第です。

 

大工時代からの付き合いの棟梁もいますので、

何も改めての話も無いのですが、

2人だけで飲みながら話をするといろんな意見も聞けましたし、

この業者さんのこの事はあかんな。

とか、ここの業者さんのここはいつも助かっているとか。

もちろん、当社の現場管理体制や発注時期や決まりごと、

収まりのルール、意匠、図面など、

沢山の気づきがありました。

 

この棟梁は、皆、木が大好きなんです。

大工仕事が大好きで、

大工のプライドもあって仕事をしているのです。

そんな不器用な棟梁たちから言われた事は

(1人の専属棟梁はお地蔵さんではないかと思う程、

良い人なのであまり意見は言わないので除きます。)

 

「創建工房の仕事は大変。難しい事も多いし、

手間もかかる。でも、やっぱり良い家と思う。

大工のプライドで燃える家やねん。

だからこれからも作りたい。

俺はこれからも一生懸命作るから、

社長は頑張って仕事作ってや。」

 

これって最高の言葉なんですよね。

私にとって。

そら、酔っ払いますよね?(笑)

 

皆、プライドがあるのです。

大工プライド。

そして物作りの職人のプライドがある。

 

レベルの高い仕事をこなす棟梁に

またやりたいって思ってくれるように、

ぶれずに私どもは本物の家を作らないといけないんです。

大工や職人のプライドをくすぐる家、

そして大工や職人の腕を、

技術を上げる家を作る事が私の使命の一つです。

 

なぜか?

 

今、大工になりたいですかね?

もっと言うなら職人になりたいか?

 

どうなんですかね?

職人の殆どは高齢になり、

職人不足の現状は、

今後の業界の大きな問題だと思います。

左官屋さん、

タイル屋さん、

瓦屋さんは特に顕著です。

 

端的に申しますと、

仕事の需要は多大な影響があります。

時代が変われば、

家の性能や仕様も変化していくは当然の事です。

昔は花形だった、

タイルや左官、

瓦は現在の住宅では殆ど、

使用されなくなりました。

こういった事も一因です。

 

そして、他にもあると思います。

むしろ私はこちらが重要だと思います。

私は夢だと思います。

はい、夢です。

 

この業界、職人の世界の夢があまりにも無いのです。こうした事は、

次の世代、これからの世代の

若い人材不足に繋がっていきます。

 

きつい、汚い、安い、仕事が無い。

未来が無い。

 

まあ、そんな感じに思われているのでしょう。

わざわざそんな事をしなくても、

綺麗なスーツを身にまとい、

先がとんがった革靴を履いて、

ワックスで髪の毛を遊ばして、

Macのパソコンいじっている方が、

かっこいいと思うのでしょう。

 

そうした職人不足問題の原因は沢山ありますが、

他にも消費者側、

つまり、施主側にも要因があると思っています。

 

それは、

「きちんと、学ばなくて家の購入をする」事だと思います。

この情報が飽和している

時代の弱点であるような気もするのですが、

何でも分かった様な気がするのです。

 

だから私は、

もっと学んでからジャッジしませんか?

簡単に決めて、

後で後悔してもいいんですか?

 

結構、

口うるさく言い続けています。

 

私の業界は、実際に住む人から選ばれないと、

住宅会社は存続出来ません。

 

これは民間企業である限り、

全て共通しているのでないでしょうか?

 

そして、会社である限り、利益は最重要です。

利益がないと会社が存続しませんから、

目先の事、今、売れる物に手を出す。

クレームが起きにくい材料を扱う。

見た目を重視する。

そして、限定や価格で消費者を煽る。

 

顕著な事が消費税のアップですよね。

5%~8%に上がる時なんて、

もう、それはそれは凄かったですよ。

私どもはあまり影響を受けませんでしたが、

周りの業者さんは、

ほぼ、調子に乗ってましたね。(笑)

 

人間って何て単純なんですかね?

その後に確実に来る、

反動に目を向けずにね?

 

そして、消費者は煽られた訳です。

もちろん、購入に踏み切る、

きっかけになったとも思います。

これはOKです。

しかし、私達の業界は、千円、一万円の商売ではないんです。

数千万なんです。

お客様は35年ローンを組んで金利を乗せて支払う、

人生の三大支出の一つです。

 

ちなみに三大支出とは、

教育資金

老後資金

住宅資金

 

です。この3つ全てリンクする事が住宅ですよ。

この住宅の購入時期や価格、性能、仕様、建築場所、

土地の事なんて沢山ありすぎて、

もう何から始めたらいいか分かりません。

 

だから学ぶ事は大切です。

 

でも、学ぶ事に対して、

子供が小さいから、場所が遠い、

時期が合わない、なんか面倒くさい…

となるのも、人なんですよね。

そして、まあこれでいいか?なんて

感じで家を購入する。

 

だから結果、

今の業界体質を支持する事になる。

 

そして、

売りやすい家が相変わらず存在する。

と言う事は、

業界の作り手の質が落ちる。

 

私はそう思います。

 

もちろん私どもが作っている家が正しくて、

他は悪いと言っている訳ではありません。

しかし私はこの業界の大半に、

何の為に家づくりの仕事を生業にしているのか?

をもっと真剣に考えて欲しいのです。

お金が欲しいのなら、

人より儲けたいのなら、

この業界は絶対にオススメではありませんから。

 

物作りの基本である、

こだわりや、使う人の事を真剣に考えて物作りに没頭する。

作り手は向上心の火を絶やさずに、

純粋に作り続ける。

 

そこには、「他人を思いやる」

気持ちがあるように思えるのです。

 

そんな風になっていけば、

きっと夢がある業界になっていき、

やりがいや、

技術向上に繋がっていき、

消費者であるお客様が満足する家

に住める事に繋がっていけば最高ですね。

 

まだまだです。

まだまだこれからです。