廃材市 | 更新情報|縁 創建工房 | 大阪 寝屋川 枚方で自然素材・高寿命の注文住宅・リフォーム・健康住宅

Model House

更新情報

2022年02月07日 社長ブログ

廃材市

コロナ禍になってから久しぶりのイベントを実験的に再開しました。

 

話は6年前に遡ります。現在の本社がある寝屋川市萱島に移転した際に新たな試みとして始めた事があります。元からある平屋のテナントを大規模改修しましたが、土地が広く空きスペースがありました。そこにモデルルームを建築する事は工務店の常套手段ですが何故かその時はピンとこなかったです。

 

でも何かの建物を建てたいと思い悩んでいた時に、改めて考えた事があります。

 

縁創建工房に来る人って、、、

 

  • 家を建てようと思っている方
  • 家づくり中で打合せ中の方
  • リフォームを検討している方
  • リフォーム中で打合せ中の方
  • 関連業者さん

 

上記①~⑤の方しか来ないんだなと思ったのです。

 

これは当たり前の事なのですが、すごく違和感を感じました。もちろん移転する前の会社でも同じ事なのですが何故か違和感がありました。

 

「もっと地域の方と出会うにはどうしたらいいんだろう?

家を考えていない方はこの会社には来ないのか、、、」

 

子供みたいな話になりますが、私には大きな現実でした。

 

漠然とそんな事を考えている中、本社空きスペースの小さい一角をどうするか悩んでいましたが期限もあったので、まずは何の設備もない木の建物を建てました。

 

打合せや会議でも使えるし、まあこれでいいかな。そんな感じでした。

 

そんな時に知り合いから「こんな素敵なスペースがあるねんから地元で頑張っている作家さんや地元の商店に声をかけてマルシェでもしたら?」と言われました。

 

「マルシェ?それってなんなん?」

「市場ですよ、マルシェは、、笑」

 

「へえ~」

 

「…」

 

 

そんな始まりでしたが、考える暇があるならまずはやってみる精神な私が思った事は、実際に使ってもらう、食べてもらう、買ってもらう方に生産者や作り手が思いを直接、消費者に伝える場に出来ないか?と言う事でした。

 

私が小さい時には、近所に衣食住の商店があり、電池が切れたら町の電気屋さん、病気になったら町の医院、パン屋さん食堂、、と地域に根差している商店が沢山ありました。そこでは店主の顔が見えて地域のコニュニティーもあり沢山の事が学べたと思います。地元の店にお金を使い地元が潤い循環をしていく。そんな理想の形があったのです。

 

確かに今の時代は便利です。ネットで何でも調べる事が出来てネットで何でも購入出来ます。SNSでコミュニティも作れます。しかし弊害もあると思うのです。顔が見えない、文書では意図や熱感が分からない、何でも分かったような気になる、、、何よりどこにお金が落ちているのか分からない。

 

物つくりをしている私からすれば現場主義ですので実際にお会いして実際に体感して頂き実際にお伝えしたい。地元の人が地元に人にサービスを提供するというシンプルな事を大切にしたいと思うのです。そんな思いから地域に根差していける場になればと思い、木の小さな建物には「根っこ」と名付けました。

 

第1回目の根っこマルシェをした時の事です。

 

手作りの簡単なチラシを1000枚自分たちでポスティングしました。チラシの率ってご存じですか?因みに5000分の1です。つまり1000枚配布なので誰も来ない可能性もありました。もちろん出展者さんは10以上の方が賛同して頂きましたので各自でお客様をお呼び頂くことも期待して、まあそんな感じでいいやろと思っていたと思います。

 

100点満点では3000分1と言われる率ですので3万枚配布をして10組お客様が来場したら100点ですね。

 

結果は、朝10時の開催前に30人ほどの行列が出来ていました。延べ来場者では100人を超える結果となりました。

 

あの時の風景は一生忘れられません。お声をかけた方は地元で衣食住に携わる商売をされている、使う方の事を真剣に思って営んでおられる方ばかりです。小さい子どもやお年寄りの方まで沢山の方が生産者やお店の方、サロンなど技術者と関わっている風景は何とも言えない感情になりました。

 

自分がやりたい事の一つはこれだったんだと強く感じました。

 

私はお客様に自分の会社を選んで下さいと言う営業トークはしたくありません。特に家づくりではそうです。自らお客様から選んで頂きたいのです。

 

こだわって思いをもって仕事をされている方に共通する事があります。それは皆口べたという事。作る事は得意やけど口が下手、、誤解もされる、、、

 

職人だった私にはかなり分かります。どれだけ良いものを作っていても誰も知らない、という矛盾が存在するのです。だからこそ出会いの場をこちらが作れば、あとは実力ですので選んでもらえなかったら仕方がないと思うのです。

 

そんな思いで始まった根っこマルシェは5年間で全10回開催をして当初の思い通りに地域に根差していくイベントになりました。

 

 

しかし、コロナ禍となり作り手にレンタルスペースとして貸出もしていた根っこもイベント自体が開催する事は出来ずに現在に至ります。

 

そんな経緯を経て、先日実験的に開催をしたのは廃材市です。

 

私どもが使用する木材は和歌山、北海道、奈良県吉野産など国産材ばかりです。建築途中どうしても余ってしまい、捨ててしまう良質な素材たちを有効に使って欲しい思いで廃材市を開催しました。チラシは500枚を近所に配っただけでしたが19組、合計29人の方に来て頂きました。

 

 

捨てればただのゴミ

 

使えば長く持つ資源

 

やっぱり自分がしたい事、自分が出来る事はこういう事なんだと再確認出来ました。

 

最高の素材なので大切に使ってやって下さい。

 

定期的に開催していきます。