私たち縁 創建工房は、注文住宅を手掛ける工務店です。
注文住宅では、常にお客様の顔を見ながらゼロからスタートしますが、
従来の分譲地ビジネスでは、お客様の顔が見えません。
前回のコラムでも、分譲地のお話をしましたが、分譲地は主に不動産会社が家を売るために大きな土地を買うため、
早くその土地に家を建てて売ってしまわなければビジネスとして成り立ちません。
ですから、ビジネスとしては非常にドライな感覚です。
現場の職人さんには、「早くやれ」「安く建てろ」と言わざるを得ません。
実は、一大工だった私自身、かつては下請けとしてそんな指示を受けていた職人だったので、その現状は痛いほどよくわかります。
しかし、今やそんな時代ではない気がするのです。
今必要とされているのは、「価値観」ではないでしょうか?
その価値観は人それぞれですが、その価値観が合えばおのずと求めてくださる方はいる、と信じて今に至ります。
さて、この『縁 village』は分譲地ですが、いわゆる建売ではありません。
分譲地ですから、売値は土地代+建物代となりますが、
長年注文住宅を手掛けてきた私たちだからこそ、その土地の上に建つ建物は絶対に手を抜けません。
ですから、どうしても初期にかかる費用(土地代+建物代)を見ると、
立地条件のみ良く、建物のコストを落とす一般的な分譲地の相場よりも、
割高に感じるかもしれませんが、私は高いとは思っておりません。
10年以上注文住宅を徹底的にこだわってきて研究を重ね、
現在の性能、仕様、意匠に辿り着きました。
その家が建つ前提ですので、通常の分譲地のビジネスセオリーに当てはまらず、
ビジネスとしては厳しいかも知れないというのが、一般的な分析でしょう。
では、なぜあえて私たちはビジネスとして成り立たないリスクがあることをするのか?
その答えは、まさに価値観を追求したいから。
このニーズは、少ないのかもしれません。
でも、それをあえて提供したい。
そんなチャレンジングな取り組みですが、
きっとこの価値観に共感してくださる方々がいるはず!と信じて突き進んでいます。
そして時代が進み、「こんな分譲地ってありなんだ!」といっていただけるような、
一歩先ゆくビジネスモデルの提案をしたい。
そんな想いで『縁 village』のプロジェクトに取り組んでいます。