考える、考えてもらう、という事。 | 更新情報|縁 創建工房 | 大阪 寝屋川 枚方で自然素材・高寿命の注文住宅・リフォーム・健康住宅

Model House

更新情報

2024年09月14日 社長ブログ

考える、考えてもらう、という事。

現在、BtoBでご縁を頂き、仕事をさせて頂いている案件があります。

相手は企業様ですので、ブログ投稿も簡単に出来ないのですが、

日本建築の良い所を細部にまで厳選をしております。

 

軒の出は900あり、外部も焼杉です。

焼杉も沢山の種類があるのですが、

炭化層の厚みにまでこだわりを持って頂き、

天竜杉の焼杉を採用しました。

※納期は3ケ月以上かかりますが炭化層が厚い為、非常に長持ちします

 

他にも建具も数十年や百年以上前の蔵戸や内部の古建具、

御影石の土間なども適材適所に計画をしており、

言い出したらきりがないぐらいのポイントが沢山あります。

 

このような家は特に棟梁(当社では大工さんではなく棟梁と呼ぶ)が

このような仕事を出来るのかの問題があります。

 

それは何故でしょうか?

 

それはそのような建物が今はほぼ無いからです。

昔の建物は無垢材も多いので「考える」仕事が多く、

今の木造建築よりも技術が必要なのです。

 

しかし、戦後の住宅「大量に」「簡単に」「安く」の流れにより、

昔の家と比べると腕や職人技が落ちております。

経験する場がない事が一番大きな要因かと思われます。

 

今の家は合理的、あるいは手間を無くした家になっており、

その事を否定はしませんが、

無くした事も多いと私は思うのです。

 

無くしたものとは、

「考える」

「一手間を加える」

「使う立場、住む人の立場に立つ」事だと定義します。

 

このような今の住宅業界に危機感を非常に感じており、

私どもは普段の家づくりでも出来るだけ職人さんが

「考える」

「一手間を加える」

「使う立場、住む人の立場に立つ」事を意識しています。

 

例を挙げると、床材一つとっても、

工場で生産された床材はどの材料も均一で見た目も同じです。

だからクレームも少なく、

職人さんの腕や経験に左右される事がなく品質も担保されます。

 

しかし、職人さんは考える事が出来ません。

極端な話、目を閉じて床材を手に取っても同じ材料なのです。

 

では無垢材の床材ではどうでしょうか。

 

1枚1枚が全て違う表情をしており材料のクセもあります。

手触りも微妙に違います。

その材料を職人さんが手に取り、見て、触り、考える。

この床材はここに節があるからここに張った方がいい、

あるいはここへ。このような感じです。

 

そしてどうせ使うなら国産材を使う事も大きなポイントです。

 

使わないから森が荒れて価格も高騰するのです。

 

今の時代、このような考えは合理的ではなく、

ある意味、否定される事だと認識しております。

しかし、私はこのような考え、

昔からの日本が誇る職人さんの技術を

この先の時代に残したい。

 

だから誰に何と言われようが、

職人さんが一生懸命考えて作る家を建てたい。

その事が結果的には職人さんを育てる場作りにもなるからです。

 

理想は手刻みかも知れませんが、

今のプレカットの加工技術は、ほぼ完ぺきですので、

今のいい所は取り入れて、

残す事は継承していけばいいと思うのです。

いくらプレカットが完璧でも、

よく採用する丸太梁や大黒柱の加工は手刻みですので。

 

今回の案件が始まるまでに、沢山の収まりも原寸で考え、

図面に書いて収まりを徹底的に考えました。

そして棟梁に図面を共有して一緒に更に考えました。

 

その時間は実に有意義であり、

物つくりに火を灯す作業であり、

そのような行為は会社の財産にも繋がります。

 

その機会を与えて下さった企業様には心から感謝をして、

本物の100年以上持つ建物を作り、

必ずお役に立ちたいと思います。

 

私たちが「考えない」と職人さんは絶対に考えません。

※もちろん意識が高い職人さんは勝手に考えてくれますが、、

 

一生懸命、細部にまで考えた事は職人さんも、

おのずと考えさせられるのです。

 

そのきっかけを作るのは私たちでなければならない。

 

「かなり考えてるな、、この案件は自分もスイッチ入れなければ、、、」

 

本気スイッチ、やる気スイッチをパチッと

ONにしてもらう事も私どもの仕事の一つです。

 

そして、その為には私どもが、

今後もぶれずに本物の家を作る事が

自分の使命だと感じております。