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2025年01月18日 社長ブログ
1995年1月17日
30年前の1月17日は阪神淡路大震災があった日です。
当時、木造アパートの2階に住んでいた私は
早朝に大きな揺れで飛び起き、
裸足で外に飛び出した事を今でも覚えております。
阪神淡路大震災では6000名以上の方が亡くなりました。
また、木造家屋では
全壊が10万棟以上
半壊が14万棟以上もありました。
震災後に建築基準法も見直され、
・地盤の応じた基礎設計の検討
・筋交い金物や柱頭柱脚接合金物の施工
・耐力壁の配置バランスの検討
上記の所謂「2000年基準」が出来たのですが、
壁量計算はするが計算をした資料を行政や
検査機関はチェックしませんという4号特例は現在もそのままです。
ようやく今年から4号特例は見直されますが、
それでも構造計算をしなくても木造2階建てや平屋は建てられます。
まだまだ意識が低い業界です。
間取り計画から無茶な計画をせずに根拠のある構造ルールに則り、
安全な間取り計画、耐力壁の配置バランス、
柱直下率などの検討を行ってから、
許容応力度の構造計算を行い
耐震等級3を取得する事は当たり前基準と考えます。
10年前から構造計算を行い耐震等級3を当社の
当たり前基準として建ててきましたが、
私が構造の師匠から教えて頂いた事が、
「構造計算したからと言って全て安心ではない」
「天災と人災の違い」
この二点を教えて頂きました。
今はYouTubeなどのSNSから実際に住む方が、
自分たちで情報を入れて学ぶ時代ですので
10年前では考えられないほど耐震等級というワードが
お客様から出る時代となりました。
これは非常に良い事です。
しかし、お客様に聞くとまだまだ住宅会社で構造計算もしない、
計算をしたとしても耐震等級2で十分、
品確法ルートの耐震等級で十分などの考えが巷に溢れております。
私たちが作っているのは「家」です。
その家は家族が一生住む家であり、
地震が起こった際には家族の命を守る家にもなります。
にもかかわらず、作り手都合の身勝手な考えを
お客様に説明もせずに一方的に作る行為は極めて危険です。
地震は天災です。
自分ではコントロール出来ません。
しかし地震で木造家屋が倒壊するのは「人災」だと教わりました。
まさにそう思います。
「当社が作る家は絶対に地震で倒壊しません!」とは言い切れません。
活断層もありますし、
敷地形状、地盤、土砂災害などの影響を受けるからです。
しかし今の知識で考えられる事はプロとして
全て検討して出し切らないといけない項目は、
耐震、断熱、気密、換気、耐久、室内空気環境だと私は思います。
「半壊したが家族の命は守られたから良かったね」
こういった考えもあるかも知れません。
しかし35年ローンを組んだ数千万もするあなたの資産は無くなります。
簡単に建て替え出来ますか?
だからこそ見えない事ですが、
家族の命と資産を守れる家をこれからも建て続けていきます。