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2025年04月12日 社長ブログ 社長コラム
正しい知識:断熱性能編
冬暖かくて、夏は涼しい。
結露から解放された暮らしがしたい。
光熱費を下げたい。
ヒートショックを無くしたい。
トイレや洗面所が寒くない家にしたい。
温度ムラがない家にしたい。
そんな家は可能なのか?
はい。可能です。
今回は、断熱について学びます。
断熱にも耐震と同じく我が国が辿った歴史があります。
なぜこのタイミングで断熱性能を見直さなかったのか?
と思われるタイミングを何度もスルーしている
日本ですが、ようやく法律が整ってきました。
断熱には断熱等性能等級という考えがあります。
断熱等性能等級1から7とあり、
国が定める地域区分によって最低基準の等級が異なります。
沖縄と北海道では断熱の考え方が違うという事です。
※大阪は6エリアに該当します
この断熱等性能等級は耐震と同じく2025年4月から法改正があり、
2025年4月以降で建築をするには等級4(UA値0.87)が必要です。
暖かい、涼しい家にするには、
UA値という指標を持って考えます。
※UA値(外皮平均熱貫流率)と言います
このUA値は値が少ない程、
暖かく、涼しい家になります。
そして、このUA値の目安となるのが、
前述の断熱等性能等級となるのです。
断熱等性能等級4:UA値0.87
断熱等性能等級5:UA値0.60
断熱等性能等級6:UA値0.46
断熱等性能等級7:UA値0.26
※6エリアの場合
この等級は法律によって段階的に引き上げられますが、
2025年4月から建築をする際には、
断熱等性能等級4(UA値0.87)が
必要な等級となり2030年以降に建築する際には、
断熱等性能等級5(UA値0.60)となる事が
すでに決まっております。
そして、2035年には断熱等性能等級6(UA値0.46)
が義務化予定と言われております。
義務化予定で言うと、2050年には等級7となるかも知れませんが、
等級6までは確実になると思われます。
10年後には等級6の家になる未来が決まっているのです。
今から建てる皆さまはどの等級で建てますか?
これは結論、等級6をマストとして下さい。
理由は等級6(UA値0.46)といっても劇的に家が暖かく、
涼しくなる訳ではないからです。
暖房計画、気密性能(C値)計画換気、間取り、
日射取得など沢山の要素が絡むので、
一概には言えないのですが、
等級6でも暖房計画を間違えたり、
日射取得が出来ない家ではいまいちなのです。
※日射取得や暖房計画がしっかりと出来ている家では、
等級6のUA0.46程度でも問題ありません
因みに等級6にする事はコスト面で
随分とアップすると印象を持たれたかも
知れませんがそうではありません。
壁、天井:高性能グラスウール
床:板状(押出法ポリスチレンフォーム)(ビーズ法ポリスチレンフォーム)断熱材
サッシ:アルミ樹脂複合サッシあるいは樹脂サッシ
この仕様で基本は可能です。
少しの配慮、検討で十分可能なのです。
この事を踏まえて私がお勧めする
断熱性能等級は6.5です。
6.5とは断熱性能等級6~7の間であるUA値0.35程度です。
これは何故かと申しますと、実際に当社が作っている家が、
UA値0.30~0.35程度なのですが、
UA値0.46と比べると体感が大きく違った印象があったからです。
同じ等級6でもUA値の幅が大きいのです。
※UA0.46~UA値0.27までが等級6となる
つまり、UA値0.46でも、UA値0.27でも、
等級6になるという事です。
※UA値0.47では等級5になります。
このUA値ですが、0.01下げるだけでも、
容易な事ではありません。
容易ではないという事は、断熱材を厚くしたり、
サッシの性能を上げたり、サッシを減らす工夫をしないと
数値は簡単に下がりません。
よって、等級6のUA値0.46と
同じ等級6であるUA値0.27では
随分と性能が違うという事になるのです。
このような事から等級6.5辺りが
ベストであると考えております。
ここで1つの問題が出てきます。
等級6.5以上、UA値0.35以下にしようとすれば、
付加断熱の検討が必要となります。
この付加断熱という事は何か?と申しますと、
断熱を付加する→断熱を足すという意味です。
つまり、断熱材を外から張るのです。
W断熱なんて謳っている会社さんもありますね。
この付加断熱はコストアップはもちろんの事、
施工上の問題が多く出ます。
ここで建築会社は付加断熱=面倒くさい
となる可能性があります。
私の仮説ですが、10年後に等級6が義務化されても、
20235年時点での最低基準の等級6、UA値0.46を
ギリギリ狙う家が多く建てられると思います。
建築会社である以上、必ず出来る事なのですが、
手間などの理由でトライする会社は少ないと思います。
因みに、この付加断熱をすれば、
あとは外張り断熱材の厚みを変えるだけで
UA値は更に下がりますので、
等級7(UA値0.26)でも可能となるのです。
※付加断熱の厚みを変えると他の収まり箇所の検討はあります
今から家を建てる方は断熱等級は6を基準として、
理想は6.5、UA値0.35程度を目指して下さい。
- まとめ
・大阪の断熱区分エリアは6エリアになる
・2025年4月から断熱等性能等級4以上で建築しなければならない
・2030年から等級5が義務化になる
・2035年には等級6が義務化予定と段階的に引き上げられる
・等級6(UA値0.46)で建てても暖かく、涼しい家にならない可能性がある
・同じ等級6でもUA0.35程度の断熱性能では体感温度がかなり変わる
・UA値0.35程度では付加断熱が必須となる
この情報がお役に立てれば幸いです。