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2025年04月22日 社長ブログ 社長コラム
正しい知識:気密性能編
今回の正しい知識では家の隙間が沢山の事に
影響を及ぼすお話をしていきます。
気密性能とは隙間の事です。
昔の家の「冬」を想像して下さい。
※実家でもいいかも知れません
家に帰れば寒いのでエアコンを付けます。
中々暖まらないので、フリースを羽織り、
毛布で体をまといブルブルと震えながら、
暖かくなるのを待ちます。
ここで近くにあるコンセントや窓から
冷たい空気が入ってくる事を経験した事はないですか?
一向に暖かくならない状態で、
料理のため換気扇を動かすと更に冷気が入ってきます。
冷たい空気は下に溜まるので、足元は冷たく、
暖かい空気は上に溜まるのでエアコンの風は
あなたの顔にあたり乾燥します。
これはストレスですね、、、
この原因は断熱はもちろんの事、
今回の題名である気密が原因です。
この風は家の「隙間」から入ったり出たりしています。
この隙間が建物の中にどの程度あるのかが
分かる指標がC値(隙間相当面積)と言います。
このC値は基準となる数値があります。
参考
C値5.0:ハガキ4枚
C値2.0:ハガキ1.6枚
C値1.0:ハガキ0.8枚
C値0.5:ハガキ0.4枚(名刺1枚)
※数値が低いほど隙間が無い
1.0以下のC値なら高気密住宅と言えるでしょう。
また、断熱性能は設計段階から理論上で計算をするのですが、
気密性能は理論上の計算で検討する訳ではありません。
どういう事かと言うと、C値は現場にて実測するのです。
実測とは、現場で専用の機械にて隙間の測定をするのです。
ライブでリアルな数値が出るのですが、
お勧めは「建築中」の測定です。
壁の断熱材は充填済みで、石膏ボードを張る前がベストです。
ここで隙間があれば「シュー、、、」という音が聞こえます。
また、数値が悪い場合は仕上り前なので、
ある程度の是正が出来るのです。
測定のマストは完工後ですが、ここで数値が出てから
数値を下げる事は基本的に不可能ですので、
よほど自信がある場合は良いのですが、
数値にばらつきがある会社さんでは
建築中の測定をした方が改善が出来ます。
気密性能は現在法律では縛りがなく、
現場で実測をする法律もありません。
よって、非常にグレーな世界なのです。
つまり、あなたが「気密測定をして下さい」と言った所で、
建築会社は「行う義務はない」と言われればそれまでなのです。
ホームページに「C値0.2」などと書いてある
会社さんの数値は
「この数値は当社モデルルームの参考値であり
C値測定は基本行っていません」などの場合もありますので、
実際のリアルな過去平均値を聞いた方が良いと思います。
更に、別記事で書いている換気計画と空調計画は
気密性能に影響されます。
仮にC値5.0の家と1.0の家では、
換気扇の効きも違いますし、空調も同様です。
換気では隙間があれば空気は動かないので、
換気能力が落ちます。
3種でも1種でも機械で強制的に、
排気、給気しても空気があまり動かないのです。
コップに水が入っておりストローで吸う際に、
ストローに穴が空いていれば水を飲む事に苦労します。
同じ理屈です。
暖かい空気は冷たい空気に向かって移動する
性質があるので、冬はエアコンなどで温めた空気が
冷やされている屋外に向かって移動する事になります。
夏は室内には冷やした冷気があっても、
屋外の暖気が室内に入ってきます。
つまり、機械を運転した瞬間から家の隙間から
暖房や冷房が屋外に漏れたり、入ったりする事になるのです。
隙間がある→エアコンが効かない→さらに温度を上げる(下げる)
→エアコンは点けたまま→光熱費が上がる
このようになります。
最後に注意点があり、気密性能があったとしても、
断熱性能が低い場合は、同じく暑くて寒い家になります。
家の隙間が無くても、断熱性能が低ければ、
やはり暖かく涼しくならないですし、
隙間があれば空気の移動が生じるため、
断熱と気密はセットで考える事になります。
- まとめ
・家の隙間の大きさはC値(相当隙間面積)で表す
・C値は1.0以下が良い(ハガキ0.8枚程度)
・C値は理論値ではなく現場での実測値
・気密測定を建築途中に行う事が理想
・気密測定は法律ではない
・HPでのC値はモデルルーム参考値がある
・換気と気密はセットで考える
・空調と気密はセットで考える
・断熱と気密はセットで考える
この情報がお役に立てれば幸いです。