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2025年06月03日 社長ブログ 社長コラム
失敗しないリノベーション:性能(断熱)編
リノベーション(以下リノベ)と新築工事は、
進め方や注意点が大きく異なる点があります。
この「失敗しないリノベーション」シリーズでは、
リノベならではの注意点をテーマごとにお届けします。
第5回目は「性能(断熱編)」です。
断熱性能の改善は、リノベだからこそ
実現できる大きなメリットの一つです。
壁を解体せずに、上から張るいわゆる
「上張りリフォーム」の場合は、
断熱を入れ替える事が出来ません。
しかし、室内の壁、床、天井、
そして外壁も解体をするリノベ工事では、
既存の断熱材を撤去して、
新しい断熱材を充填する事が出来ます。
そして、外壁材を解体する場合では、
既存サッシの交換も出来ます。
これは非常に断熱改修工事にとって有利です。
昔のサッシはアルミサッシの単板ガラスです。
サッシ自体が持つ断熱性能示す
U値という数値があります。
●サッシと窓ガラスの組み合わせによるU値
アルミサッシ+シングルガラス
U値:6.51
アルミサッシ+ペアガラス
U値:4.65
アルミ樹脂複合サッシ+ペアガラス
U値:3.49
樹脂サッシ+ペアガラス(Low-E)
U値:1.67
樹脂サッシ+トリプルガラス(Low-E)
U値:0.91
※数字が低いほど断熱性能が高いことを意味します。
アルミサッシ+シングルガラスから
樹脂サッシ+ペアガラス(Low-E)に交換すると、
U値は6.51 → 1.67 となり、
室内の室温に大きく影響します。
昔の家は、ほぼアルミサッシ+単板ガラスですので、
真っ先に手を付けたい項目だと思います。
■ 窓交換の2つの方法
窓の断熱性能を高める方法は、
外壁の解体有無によって変わります。
A:外壁を解体する
→ サッシ本体ごと交換可能(断熱効果◎)
B:外壁を解体しない
→ サッシ枠は残し、
障子のみを交換
または内窓(インナーサッシ)
を設置する方法に限られます(断熱効果△)
■ 壁の断熱改修方法も2通り
断熱材は、外気に接する面に施工する必要があります。
室内から見て「壁の向こうが外」であれば断熱が必要です。
A:室内側の壁を剥がして、断熱材を入れ替える(標準的)
B:既存外壁の上から断熱材を貼り、
その上に仕上げ材を施工する「付加断熱工法」
→ 近年注目されていますが、コストは高めです。
因みにBの断熱工事は最近流行ってきた施工方法ですが、
価格は高額になります。
このように断熱改修工事の方法を検討しながら、
断熱性能をアップしていくのですが、
目指すべき数値をお伝えします。
断熱等性能と等級6(6エリアの場合)
UA値:0.46以下
になります。
壁を解体しない場合、等級6の達成は難しく、
等級5(UA値0.6)を目指すのが現実的です。
■ 要注意!「もともと住んでいた人」の落とし穴
特に注意したいのが、
「もともとその家に住んでいた人がリノベを行うケース」
今までの家の性能があまりに低いため、
多少の改善でも「快適になった」と
錯覚してしまいがちです。
しかし、
本当に快適で健康的な住まいを目指すなら、
・断熱
・気密
・耐震
この3点は必ず見直すべき基本性能です。
断熱等性能5、UA値0.6程度では
寒くて熱い日もありますが、
以前の家に比べればかなり改善はされます。
理想は等級6、UA値0.46以下です。
将来のヒートショック対策
光熱費の削減
こちらは断熱改修をして
断熱性能を上げる事で実現できる事です。
リノベの場合は特に断熱性能を
向上して頂きたいと願います。
この情報がお役に立てれば幸いです。