更新情報
NEW
2025年06月09日 社長ブログ 社長コラム
失敗しないリノベーション:性能(耐久)編
リノベーション(以下リノベ)と新築工事は、
進め方や注意点が大きく異なる点があります。
この「失敗しないリノベーション」シリーズでは、
リノベならではの注意点をテーマごとにお届けします。
第7回目は「性能(耐久)編」です。
リノベで「耐久性」の話をすると、
「そんなの新しくするから大丈夫でしょ?」
と思われるかもしれません。
実際、古くなった外壁や屋根、
水回りや内装をまるごと一新するわけですから、
「耐久性は関係ない」と感じるのも無理はありません。
でも、あえて聞かせてください。
「リノベをして10年後、20年後、
その家はどうなっていますか?
新築のようにきれいなままですか?
それとも、また劣化していますか?」
そして20年後、またリノベをしますか?
皆さん、なかなかのお金持ちですね(笑)
そんなツッコミをしたくなる時もあります。
でも、これはとても大事な話です。
多くの中古住宅は、
かつての大量生産・低コスト・短寿命の家。
だからこそ、今リノベが必要になっているわけです。
つまり、今回のリノベでまた
「短命な素材・工法」を選べば、
同じ歴史を繰り返すことになる。
そうならないためには、
「耐久性を意識したリノベーション」
をすることが不可欠です。
見落としがちな「耐久性」のチェックポイント
キッチンやお風呂など、水回りに目が行きがちですが、
まずは次のポイントを確認してください。
●屋根、外壁
築20年以上の住宅では、
屋根や外壁材はほぼ劣化しています。
解体後に新たに施工する素材は、
本当に長持ちする素材ですか?
●外壁の通気工法
昔の家は「直貼り構造」が多く、
外壁が通気していないものがほとんど。
古い外壁を解体したのなら、
今では常識の「通気工法」をぜひ検討してください。
この2つは、リノベ成功の鍵です。
なぜなら、屋根と外壁は24時間365日、
外気に晒されているから。
特に日本の気候は高温多湿で、
梅雨時には1ヶ月以上も雨が続きます。
そんな過酷な環境に耐える「素材選び」が重要です。
室内にも「耐久性」はある
一見、室内には耐久性という
概念が薄く思われがちです。
ですが──
毎日踏む床材
毎日上り下りする階段
これらも、
素材によって持ちの良さは大きく変わります。
「見た目のデザイン」だけでなく、
何年も心地よく使えるかという
視点で選んでください。
水回りは「割り切り」が必要
正直、水回りに耐久性のある製品はほとんどありません。
(あえて言えば、ホーローは比較的長持ちします)
だからこそ重要なのは、
「今しかできないこと」
「後からでもできること」の見極めです。
たとえば、
キッチンの面材や設備グレードは後からでも変更可能。
でも、
外壁の通気構法や下地処理は後から変更ができません。
限られた予算の中で、
本当に「今やるべきこと」に投資してください。
●まとめ
リノベで「耐久性」を語ることは、まだまだ珍しいかもしれません。
でも私は、そこにこそ本質があると考えています。
「また20年後に同じ費用をかけるか?」
そう考えたとき、今回のリノベが最後のリノベであるように。
この情報がお役に立てれば幸いです。