更新情報
2025年06月30日 社長ブログ 社長コラム
情意投合の家づくり:想いが通じ合う10の対話 ~対立を調和に変える家づくり~
●情意投合とは
「情意投合」とは、
「お互いの気持ちが通じ合い、理解し合えること」
家づくりという人生の大きな決断において、
住宅会社と施主がこの“情意投合”を果たせるかどうかは、
完成した家の満足度を大きく左右します。
家づくりにおいて、施主と住宅会社の間で
意見がぶつかることは珍しくありません。
「こだわりがあるから注文住宅を選んだのに、なぜ否定されるの?」
「プロとして提案しているのに、なぜ納得してもらえないの?」
今回は、そんなすれ違いの瞬間をどう乗り越えるか
「意見の対立を、調和に変える力」
について考えてみたいと思います。
■ よくあるすれ違いの場面
ケース①:「この壁紙、どうしてもこれがいいんです」
→ 施主:「このデザイン、SNSで見て一目惚れしました!」
→ プロ:「これは湿気に弱い素材なので、水まわりには向きません…」
ケース②:「天井はできるだけ高くしたいんです」
→ 施主:「開放感のある空間にしたくて」
→ プロ:「耐震バランスと断熱効率が悪くなります…」
このようなやりとり、正直どの現場でも起きています。
でもこれは、どちらかが間違っているという話ではないのです。
■ 意見のぶつかりは、むしろ健全なプロセス
家づくりは、人生最大級の共同プロジェクトです。
想いがあるからこそ、意見がぶつかる。
真剣だからこそ、譲れないポイントが出てくる。
つまり意見がぶつかるというのは、
本気で向き合っている証拠でもあるのです。
問題は、その「ぶつかり」をどう扱うか。
■ 対話が「押し引き」になった瞬間、情意は離れる
もし住宅会社がこう言ったら、どう感じますか?
・「うちの標準仕様はこれなので」
・「それはやめた方がいいと思います」
・「これは構造上無理です」
言っていることが正しくても、
受け取る側にとっては
「押しつけ」や「否定」の言葉に
感じられるかもしれません。
一方で施主がこう言ったとしたらどうでしょう?
・「インスタではこういうのが流行ってますよ」
・「知り合いもこれにしてました」
・「ネットにこう書いてました」
プロからすると、
「あぁ、また情報に振り回されてるな…」と思うかもしれません。
この状態こそが、「情意がすれ違う瞬間」なのです。
■ 対立を調和に変える3つのステップ
ここからは、意見のズレを「対話のきっかけ」に変える方法を
3ステップでご紹介します。
STEP1:まず「想い」を受け止める
どんな意見であっても、まずは一度
「なるほど、そう思われたんですね」
と言葉に出して受け止めること。
これは、“正しい・間違っている”の議論ではなく、
相手の背景や気持ちをくみ取る姿勢の問題です。
STEP2:プロの視点から「理由」を伝える
単に「無理です」「やめましょう」ではなく、
「この素材は○○の観点でリスクがあります。
代わりに、こういう選択肢がありますよ」
というように、
背景+代替案まで提示するのがベストです。
STEP3:「どちらか」ではなく「第3の案」を探る
施主のこだわりとプロの視点がぶつかったら、
どちらかを選ぶではなく両方のバランスが
取れる案を一緒に探るのが理想です。
このプロセスこそが、
「任せる」「主張する」の垣根を越えた
協働=情意投合につながっていくのです。
■ 家づくりに必要なのは、「正しさ」よりも「歩み寄り」
住宅の性能も、デザインも、価格も大事。
でも最終的に心から満足できる家づくりとは、
・意見を出し合い、
・時にはぶつかりながらも、
・最後には「一緒につくったね」と言える関係性
これこそが、情意投合のゴールではないでしょうか。
●まとめ:
・施主とプロの意見がぶつかるのは「本気の証」
・対立を対話に変えるには、「受け止め→理由→代替案」の3ステップ
・「正解」を押しつけるより、「納得解」を一緒に探す姿勢が大切
次回の「情意投合」シリーズでは、
「信頼できる住宅会社の見分け方」
情報ではなく感情で読み解く方法をお届けします。