あなたと私どもは対等です

 

先日、新しいお客様との商談がありました。

 

結果としてはご縁がなかったのですが、

その中で「価格交渉」を受けました。

 

思い返せば、価格交渉をされたのは

十年ぶりくらいです。

創業以来、私は一度も

売りたいから簡単に値引きをする事を

したことは一切ありません。

 

なぜなら、目の前の契約が欲しいからといって、

簡単に価格を下げてしまえば、

その姿を社員たちは見ていますし、

これまで誠実に契約を結んでくださった

オーナー様を裏切ることにもなるからです。

 

ですから私は、正直に、

そして、まっすぐにこうお伝えしました。

 

「私どもは、値引きはいたしません。」

 

結果、見事に嫌われました、、笑

 

この業界では「値引きするのが当たり前」

という常識が根強くあるので、

その方にとっては

“普通の交渉”だったのかもしれません。

 

しかし、私どもは“モノ売り”ではありません。

 

私たちがつくっているのは、

時間と手間をかけて開発してきた

「自社の商品」であり、

唯一無二の“家”そのものです。

 

数十年の試行錯誤を経て、

磨き上げてきた構造や素材、

そして20業種以上の職人たちが

関わる現場の積み重ね。

 

それを「値引き」という言葉で扱われるのは、

本当につらい。

 

そこには“誇り”があります。

 

住宅は、土地のように形あるものを

仕入れて売るわけではありません。

 

ゼロからつくり、

完成後も点検や保証を通じて

責任を負い続ける仕事です。

 

住んでいただいてからが、

本当の「お付き合いの始まり」になります。

 

だからこそ私は、こうお伝えしました。

 

「あなたにも選ぶ権利があります。

ですが、私どもにも同じく選ぶ権利があります。」

 

結果的に、

先にお断りをいただいた形になりましたが、

それもまた、いい経験になりました。

 

“誰にでも売れる家”ではなく、

“同じ価値観で共に歩める人”と家づくりをしていきたい。

 

その想いを、改めて強くしました。