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2025年11月25日 社長ブログ 社長コラム
価値観との対話:“多分こうしたい”を“本当にこうしたい”に変える打合せ

このシリーズでは、
家づくりの現場で私が感じてきた
「ちょっとした違和感」や
「本当に大切にしたいこと」を、
ひとつずつ言葉にしています。
素材や性能、デザインや価格
選択肢があふれる今の時代だからこそ、
「何を選ぶか」よりも、「どう選ぶか」が
問われていると感じています。
家づくりは、
間取りや設備を決める作業ではなく、
“自分たちらしい暮らし方”を
見つける旅だと思っています。
このシリーズが、あなた自身の価値観と
向き合うきっかけになれば幸いです。
■ 打合せでよく出る「多分」
家づくりの打合せをしていると、
お客様からよく聞く言葉があります。
「多分、こうしたいんですよね」
「なんとなく、こっちの方がいい気がして」
「みんな、こうしてるみたいなんで」
これは決して悪いことじゃありません。
むしろ、家づくりに慣れている人なんていないから、
迷うのが自然です。
でも私は、この「多分」に向き合うのが
プロの仕事だと思っています。
■ 言葉の奥にある“気持ち”を読み取る
「多分」と言うとき、
お客様自身も本当の理由を
まだ見つけられていないことが多い。
それを言葉だけで判断すると、
こちらも迷います。
だから私は、
聞き返すようにしています。
「その“多分”、どうしてそう思ったんですか?」
「何かそう感じたきっかけがあったんですか?」
すると、お客様の口からふと出てくるんです。
「前の家が寒かったから断熱だけはちゃんとしたくて」
「友達が収納に困ってたって聞いて」
「自分はあまり家にいないけど家族が快適に過ごせるようにって」
そうやって、“多分”の正体がだんだん見えてくる。
■ 多分=不安の表れかもしれない
「多分こうしたい」というのは、
言い換えれば
「確信が持てていない」ということ。
それは、情報が多すぎるからかもしれないし、
自分の希望と家族の希望が
混ざっているからなのかもしれません。
だからこそ、
「決める前に一緒に考える時間」が大切なんです。
「本当にそれでいいのか?」
「自分たちにとって心地いい暮らしって、何なのか?」
プロと一緒に考えることで、
“多分”が“本当にこれでいい”に変わっていきます。
■ 正解を押しつけるんじゃなくて、整えていく
プロとしての役割は、選択肢を並べて
「どれにしますか?」と聞くことではないと
私は思っています。
「この人にとって、どれが本当に合っているのか?」
を一緒に探していくこと。
それには、丁寧な対話と、
余白を残した打合せが必要です。
時には、「その選択、少し違う気がしますね」
と率直に伝えることもある。
でもそれは、
否定ではなく「整理」の一歩。
■ 本音にたどり着いた時、家づくりが一気に動き出す
不思議なもので、「これでいこう」と
本人が心から納得できた瞬間、
家づくりって一気に動き出すんです。
それまでは迷っていた間取りも決まり、
設備選びも悩まなくなる。
「多分」を「本当に」に変えることが、
プロの役目だと思います。