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2021年10月08日 家づくりコラム

注文住宅を建てる際に気をつけたい!こんな土地の“誘惑”

注文住宅を建てるにあたり、必ず直面する土地問題。
注目すべきは、土地そのものだけではありません。
土地選びに着手する前に、その土地を取り巻くさまざまな条件にもしっかり目を向けることが大切です。

そんな土地選びに必須のチェックポイントとは?

「上物あり」の土地は、いろいろ高くつく?

土地を検索していると、

上物あり

という言葉に出くわすかと思います。
なにもない土地=更地に対して、上物ありとは「土地の上に建物が存在する」という意味。
つまり、土地の前所有者が住んでいた中古住宅をそのままつけて売地にしている「古家付き土地」です。

その中古住宅の価値は、個人によってそれぞれ異なるのでそのまま住むか、リフォームするか、といった選択肢もありますが、「注文住宅を建てる」という条件であれば、必然的にその建物は解体することになります。

ここで注意すべきは、

1.解体費用がかかる
2.固定資産税が高くなる

という点です。

1の解体費用に関しては、近年の空き家増加問題を鑑み「解体費用助成金」などの制度を設けている自治体も増えています。各自治体によって条件は異なりますが、もしその物件が条件に当てはまれば費用負担の軽減が望めるかもしれません。よく調べてみましょう。

次に2の「固定資産税が高くなる」という点についてですが、なぜ?と思われる方も多いのではないでしょうか。

空き家であっても、建物には固定資産税と都市計画税はかかるので、土地だけにしてしまったほうが安くなるのでは?というイメージがあるかもしれません。
しかし固定資産税も都市計画税も、本来は人が住んでいるということを前提とした課税。ですが、現状人が住んでいない空き家に対しては、維持費の負担軽減を考慮し「住宅用地の軽減処置特例」が適用され、固定資産税は従来の税額より1/6〜1/3、都市計画税は1/3と大幅に軽減されるのです。

しかし、この空き家を取り壊してしまうとどうなるでしょうか?

この軽減処置特例はあくまで空き家に対して適用されるものですから、更地になってしまうとその恩恵はなくなってしまいます。つまり、空き家があった時の税と比べると、3倍〜6倍は高くなってしまうということもあり得る、というわけです。

さらに、固定資産税は、1月1日時点での状況が課税の判断基準になりますので、解体と工事の時期も重要です。

「上物ありの土地」を検討する場合は、ぜひこれらを念頭に入れしっかり見極めなくてはなりません。

道路との高低差がある土地は避けるべき?

次は、更地について考えてみましょう。
さきほどの「上物あり」の土地よりも、更地のほうが単純明快のような気がします。

しかし、更地といっても千差万別。
なかでも特に、気をつけたいのは道路と敷地との高低差です。

道路と敷地との高低差があまりにもある土地は、どうしても擁壁ブロックなどで土を止めることになるので、土砂崩れなどの不安要素がつきまといます。
また、外構の費用がどうしてもかさんでしまいます。

さらに、住人が高齢になれば、道路から玄関にかけての階段の上り下りがつらくなってくるかもしれません。足腰が不自由になり、杖や車椅子が必要となった時には、さらに大変になることも想定しておくべきです。

必ずチェック!ハザードマップ

とはいえ、道路と敷地との高低差がある土地がデメリットばかりとは限りません。

例えば、洪水のときはこの高低差が功を奏します。
むしろ、高低差のない土地よりも浸水する確率は少ないはずです。

しかし、場所によってはその洪水で土砂災害に見舞われる場合もあることを忘れてはなりません。

想定を超える天災が毎年のように起こる昨今。
土砂災害の危険性がある地域や浸水の想定を確認できるハザードマップ※1は、必ず確認しておきましょう。

公道と私道・公設管と私設管

さらに気をつけるべきは、道路。

敷地の前の道路が、市区町村などが管轄する「公道」か、第三者が所有する「私道」かも重要です。

例えば、道路が陥没したとしましょう。
道路の下には、水道管やガス管があります。これらが破損している場合、取り換えが必要となりますが、これらの管にも市区町村などが権利を持つ「公設管」と第三者が権利を持つ「私設管」があるのです。

「私道」の下にあるのは「私設管」であることが多く、手を加える際はその権利者に掘削同意を取り付けなくてはいけないのですが、市区町村がその権利者を認識していることは稀。
権利者は一体誰? わからない!となると、いろいろややこしくなってきます。
将来、こうしたトラブルが起こる可能性がゼロでないことを考えると、敷地前の道が「私道」の土地は避けたほうが良いでしょう。

道路幅員と接道

道で気をつけなければいけないのは、これだけではありません。

例えば下の図のBの土地を購入したとします。

このように4m以上の道幅(道路幅員)の道路に2m以上接していないと、家を建てることができません。これを接道義務といいます。

もし、この接道部分が1.9mであった場合、新築に建て替えることはできずリフォームしかできません。また例え2mの接道があったとしても車を駐車すれば進入路も狭く、車のドアを開ける際にも狭い空間となります。
このようなことを知らずに土地を買ってしまったとしたら・・・後悔してもしきれません。
もし、このような旗竿地を購入する場合は、専用通路(接道、駐車スペースの位置)は少なくとも、2.5〜3mは確保しましょう。

また、敷地に対してどのくらいの建物が建てられるかを決める建ぺい率※2 と容積率※3によって、希望のプランが叶わない可能性もあります。

このように、土地の見た目だけにとらわれることなく

土地を買う目的=「家を建てること」

であるという認識をしっかりもつことが大切。
だからこそ、「家をつくるプロである建築業者に土地を見てもらうこと」は重要です。

同じ視点で見極めてくれるプロとともに探すこと。
それこそが、後悔を生まない近道といえそうです。

※1 ハザードマップ
国土交通省が公開するデータもとに作成されたハザードマップは、サイトでも確認できる
【NHK】ハザードマップ 
https://www.nhk.or.jp/kishou-saigai/hazardmap/

※2 建ぺい率
防火上と住環境配慮のために定められた、敷地面積に対する建築面積(建坪)の割合のこと。建築基準法では、原則として指定建ぺい率を上回る建築面積の建物を建てることはできない(条件によりこの限りではない)
例)土地100坪/建ぺい率60%の地域の場合、最大60坪(100坪×60%)の建築面積の家が建てられる

※3 容積率
道路等の公共施設の能力に対応した機能の維持と増進を図る目的のため、建築基準法第52条で定められた敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床)の割合のこと。指定容積率は、都市計画で用途地域毎に50%~1300%の範囲で制限が定められている。建築基準法では、原則として指定容積率を上回る延べ床面積の建物を建てることができない(条件によりこの限りではない)
例)土地50坪/容積率200%の地域の場合、1階40坪+2階35坪+3階25坪といった最大100坪(50坪×200%)の延べ床面積の家が建てられる