断熱等級って、今や当たり前の性能ですよね? | 家づくり目安箱|縁 創建工房 | 大阪 寝屋川 枚方で自然素材・高寿命の注文住宅・リフォーム・健康住宅
Q & A

家づくりQ&A「家づくり目安箱」

性能に関する質問

Q.断熱等級って、今や当たり前の性能ですよね?

回答

A.その“当たり前”の中身は、もう古い!(かもしれない)

断熱等級とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)で規定された「省エネ性能」を表す基準である「断熱等性能等級」のこと。
この断熱等級はUA値(外皮熱貫流率)によって判定されます。

実はその基準は時代とともに変化しています。

断熱等級のスタートは1980(昭和55)年。現在の等級2が誕生しました。
これは旧エネルギー仕様(基準)で「実家の冬はかなり寒く感じるわぁ」と話題になりそうな、いわゆる昔ながらの住宅をイメージしてください。

そして1992(平成4)年になると新省エネルギー仕様(基準)として、一定レベルの断熱性を持つ住宅が等級3となりました。1999(平成11)年にはこれが改訂され次世代省エネルギー基準と呼ばれるようになる等級4が誕生し、壁や天井だけでなく壁や玄関も断熱の対象となり、これが品確法での最高等級となっています。

そして2022年10月から
・等級5(UA値:0.6以下)  ZEH基準※1 と同等
・等級6(UA値:0.46以下 ) HEAT20※2  のG2と同等
・等級7(UA値:0.26以下)  HEAT20のG3と同等
              
※上記UA値は、大阪のほぼ全地域に該当する「地域区分6」を基準としています
といったハイグレードな基準も加わりました。

しかしこれは等級が増えただけで義務化されたわけではありません。
何を隠そう2023年現在では等級4ですら義務化されてはいないので、極論を言うと「断熱材を入れなくてもOKな家が存在する」というわけです。

そこで2025年から、いよいよ断熱等級4も義務化されることが決定しています。
しかしこの断熱等級4。
さきほどもお話したとおり1999年にできた基準です。
ということは平成なんて一昔前?な今となってはまぁそんなに高いわけではなく最低限レベル・・・という感覚です。

さらに時代をすすめると2030年頃には断熱等級5を、もしかするとその後も断熱等級6、断熱等級7・・・と義務化される可能性があるかもしれません。

ですから質問者さんのいう「断熱等級は当たり前」の時代になっているというのは間違いありませんが、そのグレードにはしっかり注目しておくことが大切です。

数年後に義務化される断熱等級4。
つまりこれからの家づくりにおいての最低ラインは断熱等級4ということになります。

しかし前時代的な基準が「今から」義務化=標準化されるというのですから、それよりハイグレードな基準を満たしておかなければ未来を見据えた快適な家にはならない・・・と考えると実は断熱等級6を満たした家が標準となることが理想だと思います。

断熱等級は住みやすさだけでなく、私たち一人ひとりがカーボンニュートラルに向けて取り組むことへの指針のひとつともいえます。
そういった視点でもぜひ断熱等級の内容(グレード)をチェックしてみてください。

※1  ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
国土交通省ウェブサイトより)

※2 HEAT20とは住宅関係企業や研究者らが発足させた「
2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称。
詳しくはhttp://www.heat20.jp/grade/

エネルギー性能についてはこちらもチェック!

もっと聞きたい、勉強したい方は 「家づくり寺子屋