家づくりQ&A「家づくり目安箱」
Q.リノベーションすることを前提で中古物件を探しています。注意点を教えて!
A.昭和56年6月以前+サイディング物件は注意すべし。
中古物件の見極めるポイント
中古物件の見極めるポイントは、大きく2つあります。
建てられた年代
チェックすべきは昭和56(1981)年6月以前か、以降か。
同年以前の建物は中古市場のなかでも「安い」という魅力があります。
こんなに大きくてしかも安い!と飛びつきそうな気持ちもわかりますが、ちょっと待ってください。
実は、昭和56年6月以前の建物はいわゆる旧耐震基準で建てられたもの。
旧耐震基準とは、簡単にいうと震度5強レベルの地震に耐えられるかどうかが基準となっており、耐震性はほぼないといっても過言ではありません。
しかし「阪神淡路大震災」(平成7(1995)年発生)をはじめ「東日本大震災」(平成23(2011)年発生)や「熊本地震」(平成26(2016)年発生)といった平成以降の大地震はいずれも震度7レベル。
このことからも、やはり旧耐震基準の建物には不安を感じます。
また、購入したもののリノベーションどころか建て替えをしなければならないほど老朽化していることも。
もしかしたら、+700万円を出せば新築を建てられるかもしれません。
この700万円への価値観はそれぞれですが、一考の価値はあります。
これらのことからも、できれば築年数の浅い物件を買い性能からしっかり直すことがオススメです。
ただし、中古物件をリノベーションすることの最大のデメリットは基礎と地盤は変えられないということ。
どんなにお金を費やしても、新たに耐震等級を取ることは難しいということは肝に銘じておきましょう。
メンテナンスについて
例えば、外壁には塗り壁、タイル張りそしてセメントや金属製でできたボードをカットして貼り付けるサイディングなどがありますが、もし外壁がサイディングの物件を購入し外壁もキレイにしたいと思った場合、塗り壁よりも大幅に費用がかかります。
その理由は、まずは古いサイディングボードを剥がしその大量の廃棄材料を撤去する作業が発生することにあります。
また、今張替えないにしても耐久年度を超えたサイディングは、つなぎ目を埋めるシーリングやボード自体が剥がれてきたり、反ったりするなどし外壁自体の耐水性が低下することに。
せっかく内装をキレイにしても、家自体に大きな影響を及ぼすことになってしまうので、いずれは張替え費用が発生することを念頭に入れておくべきです。
リノベーションといえば、キッチンやお風呂の入れ替えや壁紙の張替えなどを一番に考えがちですが、やはりハード面もしっかり考えなくてはいけません。
我が家をより安心・安全な空間にするためにも、最初に工事に入る機会に、ぜひ外壁・躯体・屋根のリノベーションも検討してみましょう。(詳しくは、「リノベーションは、まずは気になる見た目だけ! あとは少しずつ・・・でOK?」もご覧ください!)
初期費用が安くついても、結局後々大きなメンテナンス費用がかかってしまう可能性をはらんでいる中古物件。
そうならないための指針として、まずはこの2つに注目して探してみてください。
もっと聞きたい、勉強したい方は 「家づくり寺子屋」